初めてこのシリーズのポーチをデザイン•製作したのは5年ほど前のことです。
ハンドメイド作家を始めた頃、手芸屋さんで仕入れたお気に入りの布でポーチなどの布小物を作っていました。
可愛い布にたくさん触れるうちに、いつか自分だけのオリジナルデザインで作品を作ってみたいな…と思うようになります。
でもまだその頃は、自分で柄をデザインしてオリジナル生地を作れるようになるなんて想像もしていませんでした。
できることもまだまだ少ない中で、自分だけのデザインを形にする方法として、手刺繍を選びます。

大好きなどうぶつとお花を、まずは自由に紙に描きました。
そこから刺繍にしたいモチーフを選んで、9cm×12cmの枠の中に詰め込みます。
びっしりと描き込んだ絵を布に写し、張り切って刺繍を始めます。
一つ一つ丁寧に刺繍していくとなると、びっくりするほどの時間が必要でしたが、だんだんと出来上がっていく自分だけの〝生地〟にとてもワクワクしたのを覚えています。

たっぷり時間を使って仕上げた生地を、今度は慎重にミシンでポーチに仕立てます。
小ぶりで、でもたくさん入る、日常で使いやすいサイズとデザインで作りました。

やっと完成したポーチでしたが、実は作った当初は迷いながらも販売することができませんでした。
こんなに時間をかけて作った大切なポーチだけど、その分高価になってしまって、手にしてくれる方はいないのでは…と、正直なところ、その頃の私は自信をもつことができませんでした。

そのときはお蔵入りしてしまったポーチでしたが、いつかもう一度挑戦したいと密かに思っていました。

オリジナル生地で作品を製作するようになって一年ほどが経ち、表現の幅がとても広がりました。
見ていただく機会も増え、挑戦してみてよかったなと思っています。
そんな今だからこそ、原点にかえって自分のデザインと向き合う時間を大切にしたいと思い、この度時間をとってこの手刺繍ポーチに挑戦しました。

今回販売する手刺繍ポーチは2点です。
こちらのページのポーチは、今回のために新しいデザインで作りました。
黒一色でたくさんの花々を縫い上げ、シンプルながらも華やかなデザインになっています。
少しだけグレーがかった、くすんだ黒がポイントです。
ねこさんも今のrarikumaらしいほんわかとしたフォルム、表情をしています。

内布はグレーがベースの、ちょっと大人な花柄を選びました。お気に入りの生地の一つです。
刺繍のベースの生地は鮮やかながらも落ち着いた黄色を選びました。
帆布はハリのある倉敷帆布を使っています。しっかりと自立する、丈夫で目の詰まった帆布です。使っていくうちに馴染んでいきます。
黄色とカーキのコントラストがお楽しみポイントです。

たてが9cm、横が12cm、マチは5cmです。
片手でもてる小ぶりサイズですが、容量は意外と多く、ミニタオルハンカチやポケットティッシュ、コスメやお薬など日々のお出かけで持ち歩きたいものがしっかりと入ります。
こちらのポーチにはゴムの入った内ポケットの仕切りもつけました。

こだわりや想いをたくさん込めた一点もののポーチ、ぜひ長く楽しんで使っていただけると嬉しいです（＾_＾）
どうぞよろしくお願いいたします。

サイズ/9×12×5cm